名古屋高等裁判所 平成6年(行コ)21号 判決 1995年3月30日
愛知県幡豆郡幡豆町大字東幡豆字上床崎二八番地
控訴人
丸中縫工株式会社
右代表者代表取締役
天野恒夫
右訴訟代理人弁護士
中田健一
同
上田和孝
同
中村成人
愛知県西尾市熊味町南一五夜四一-一
被控訴人
西尾税務署長 田中博道
右指定代理人
加藤裕
同
田中勲
同
松井運仁
同
野村藤守
同
太田尚男
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 訴訟費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一当事者の求めた裁判
一 控訴人
1 原判決中、被控訴人に関する部分を取り消す。
2 被控訴人が昭和六三年三月三一日付けでした控訴人の昭和六一年三月一日から昭和六二年二月二八日までの事業年度の法人税の更正のうち所得金額一三八万四五六九円、納付すべき税額四二万二八〇〇円を超える部分(審査裁決により一部取り消された後のもの)及び過少申告加算税賦課決定(審査裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。
3 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
主文一項と同旨
第二事案の概要
原判決の「事実及び理由」欄第二(ただし、同一の5及び二の2を除く。)に記載されたとおりであるから、これを引用する。
第三証拠関係
本件記録中の原審の証拠に関する目録の記載を引用する。
第四当裁判所の判断
当裁判所も、控訴人について法三四条一項の「不相当に高額な部分の金額」として損金不算入とすることができる金額は、令六九条一号による一六九〇万円とするのが相当であるから、本件更正処分(本件裁決により取り消された後のもの)は適法であり、控訴人の請求は理由がないものと判断する。その理由は、原判決二六頁一一行目の「同業種・類似規模」から二七頁二行目の「判断可能であるといえる」までを、「同業種・類似規模の法人の役員報酬の支給状況(これが決定的基準でないことは、後記のとおりである。)についても、入手可能な資料からこれをある程度認識できる場合があり(甲四、五、乙一五、二四の一ないし三により認める。)、また、それに関する資料が入手困難な場合であっても、前記のような法三四条一項の趣旨及び令六九条一号所定のその他の基準により、当該取締役報酬が相当であると認められる金額を超えるかどうかは、納税者においても申告時に判断可能であるといえる」に改めるほか、原判決の理由説示(原判決「事実及び理由」欄第三の一)と同一であるから、これを引用する。
第五結論
よって、原判決は相当であるから、本件控訴を棄却することとし、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 上野靖 裁判官 熊田士朗 裁判官 岩田好二)